七月の月


雨が降ったら 君へと続くこの道は
川の向こうで誰かが手を振ってる 七月

このまま時が経てば 思い出せない夜がいつか
足りないものを数え 空に願いかける 七月

鈍色雲の向こう側には今日も月が昇るけれど
私をそっと照らしてくれてた人は 今はココに居ない

空が割れている カーテン越しに光る
結び合った言葉もやがてほつれていく

七月の月は今日も濡れていて
また会えぬまま朝を迎えるのです 嗚呼


幼い子どもなら 何もかも信じられるのに
失うこととしても それでも知りたくなる 真実

水面に揺れる想いをのせて 恋人たちは文を詠むけれど
答えが返ってくるまでの時が 尚更辛い

さらさらと流れて ほろほろと落ちて
積み上げたものを 戯れに壊したくなる

七月の私は今日も濡れていて
また会えぬまま朝を迎えるのです 嗚呼


旅立ちの時はいつも高ぶって
夢うつつ 欠けていた筈が満月 また永遠を信じてしまう

街を打つ雨鳴りは 程なく止み絶えて
痛いほどの静寂がまたやってくる

七月の私は今日も濡れていて
仮初めの朝をまた重ねるのです

空が割れている 叫び声に似てる
夢は夢 待つほどに焦がれ 満ち干きする

七月の月は今日も濡れていて
また会えぬまま朝を迎えるのです 嗚呼
2010/08/02(Mon) 23:21:39 | Word(詩)
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