もう、タイトルそのままなのですが。
久しぶりのストリートでした。
まだまだ残暑とはいえ、夜は大分涼しくなってきました。
ストリートを思い切ってやっても、そんなにベタベタに汗をかく
という感じではありません。いい季節になりましたね。
ストリートやりやすい季節です。
今日は開始早々からいろいろな方が立ち止まって下さり、
また、比較的遠方のベンチに座っている人も
反応してくれたりしてやりがい多い日でした。ちょっと絡まれましたが(w
気がついたら、来週は東京でライブです。
初めての場所ですので、今から楽しみです。お近くの方はぜひ。
来週も、普通にストリートはやる予定です。
ちょっと間が開いてしまいました。
最後は「ノスタルジア」ですね。
この曲も、まぁまぁ紆余曲折あります。
そもそも、この曲は2006年の12月に
仮データとして一度録音し始めています。
「海へ行こう」とかと同じく、halfsingerよりも前に
録り始めた類のものだったんです。
だがしかし、だがしかし。
この曲は一度完全にアレンジで詰まった曲なのです。
そしてそれは和樹君のドラムが入るまで解決されませんでした。
竹田キミヒコがドラムと一緒にやるようになり、
この曲が練習されるようになって、
初めてレコーディングしようと思えた曲だったです。
ありがたいことに好いてくれる人も居て、
中には前作のhalfsingerに入ると思って下さっていた方も
居たみたいですが、たぶんドラムと一緒にやるようにならなければ
前作どころか今作にも収録されなかったと思います。
2006年に録り始めたデータは
仮録音とはいえ、一応その後ボーカルなどを差し替えて
本録音にしていくつもりだったようなのですが
2011年に聞き返してみたところ
どっぷり落ち込みたくなるほどダメな出来だったので、全没でした。
録り方としては、いつものようにクリックを聞きながら
仮のギターを録り、仮歌を入れたところでドラムの録音です。
ただ、なんとなく仮ギターのリズムのよれが
激しかったので、あえて仮ギターを3回録って、
一旦それらを全部ミックスして、合体型仮ギターテイクを作ると言う
およそプロは絶対やらない方法を取りました。
「意味が解らない」と思われるかもしれませんが、私も解りません。
確かに良くなったので、それでよいのです。
ドラムを取り終えた後、
ギターとボーカルを録りました。
これが2011年の年末です。その後ちょっとしたエレキやら
コーラスやらを録り、2012年の4月頃にはほぼ完成していました。
その他の曲がぜんぜん録りあがらなかったので
結果的にマスタリングなどの作業は一旦放置されましたが、
事実上一番最初に完成していたと言ってよい曲ですね。
そのため、リバーブやコンプなどのプラグインも
その他の曲に比べて、昔から愛用しているプラグインが中心になっています。
そんな意味でも前作の音に一番近いイメージがありますね。
さて、あと二曲ですね。
続いては、「YOU」。
これ、CDに収録されたのは意外と
思った方もいらっしゃったかもしれません。
ものすごく紆余曲折ある曲なので、
おそらく「Street Version」とついていますが
ほかのバージョンとなってレコーディングされる事は
今後無いと思います。いや、無いです(断言)。
前述のとおり、この曲は96k/32bitでミキシングされています。
マイクはボーカルにC414、ギターにC451。
その他街の音の収録用にTASCAMのハンディレコーダーを別に回しています。
この曲だけアコギを451で録ったということで、
ほかの曲とギターの音の仕上がりがずいぶん違いますね。
その他はあんまり特記することもないのですが、
当然せーので一発録りですので、ミスったところの
編集はききません。
なので、アウトロでギターミスっていますが、
修正できませんでした。原曲聞いた事ない人には
ミスと思わないミスなので、録りなおしませんでした。
ストリートバージョンではありますが、音のなじみを
考えて、リバーブも軽くかけてあります。
後は、キーを半音落としているくらいですかね。
ストリートバージョンと言うことで、出来れば原キーのまま
やりたかったのですが、やはりピッチにムラが
出すぎてしまうので、諦めました。
試行の産物です(笑
本日から、itunesで竹田キミヒコの
アルバム「930」が購入できるようになりました。
遠方の人とか、直接竹田に会いたくない人とかは
こちらからご購入ください。
一曲150円なので、6曲で900円です。
データなので100円引きになりました。
本当はもう少し安くしたかったのですが、すみません。
次は問題の「海へ行こう」です。
今回、長くなります。
と言うのは。
これね、すんごい長きに渡って録っていた(と言うか放置していた)ので
それぞれのデータが一体いつ作られたのか、どんな風に録られたか
いまいちハッキリしないんですよね(笑
一応、一旦整理するためにも詳しく説明します。
Amusement Taoの「ATP」が発売されたのが2003年の8月17日。
(田中のぶあきさん、情報残していてくれてありがとう)
その後、Amusement Taoとしての次回作CDを作るべく、
セコセコと構想を練り、具体的に録り始めていた曲がありました。
それが、前作halfsingerに入れた「休みの終わり」と、
今回の「海へ行こう」です。
最初はさっさと録音して、シングルとして出すつもりでした。
事実、「休みの終わり」はドラム録音まで済ませていたので
そのドラムトラックをhalfsingerに採用しましたし、「海へ行こう」についても
打ち込みのトラックが作成済みでした。
打ち込みトラックは2004年の3月6日に伽藍博物堂実験室で行われた
「桜咲く丘(仮称)」内のライブで使用されましたので、
なんとその頃には作り始められていたと言うことになります。
その後、ギターとボーカル(竹田)、
コーラス(岡村)の録音を済ませ、
後は岡村さんのベースを入れるばかりと言う状態でした。
と言うか、仮のベースは入っていました。
2005年頃にはAmusement Taoとしての活動が
かなり減ってきていましたので、
そのあたりまでにデータが作られ、
時間的・作業的に頓挫し、そして8年間くらい
放置されたと言うことなのだと思われます。
もちろん、halfsingerの段階でもCD化する計画はありました。
ただ、あのCDはほぼ完全一人宅録に拘ったので、
楽曲として浮きすぎで入れられませんでした。
具体的には、打ち込みトラックは昔のまま採用です。
ただ、打ち込みとはいえ、パソコンを新しくするときに
Vstインストゥルメント、つまり打ち込みの音源が
どっかに行ってしまったので、前述のライブに使用するため書き出された
Wavデータが採用されています。
で、余談ですが、これが謎の遅延を起こしていまして
その他のトラックとテンポをあわせるのにものすご〜く苦労しました。
昔録ったギターとボーカルは没にして新録です。
もちろん、ベースも仮メロだったので、新しく録っています。
当初の仮メロラインのイメージは残していますが、結構変更しました。
ある意味岡村さんと私のコラボと言えるかもしれません。
で、コーラスのトラックは全部昔のまま。
そして打ち込みの上から、和樹君のドラムを新しくかぶせてあります。
つまり、リズムの根幹となる(しかしリズムがよれている)打ち込みと
コーラスを残して、そこに新たなトラックを重ねた、と言う感じです。
その間、8年の歳月が流れている。まぁ、苦労するに決まっている(笑
ボーカルはC-38、ギターは414で録っています。
時代と機材が違うので、リズムだけでなく
音同士をなじむように混ぜるのにも苦労しました
この曲は、もともと三拍子ですが、ギターは二拍子に近い
イメージで弾いています。三拍子が4回回る間に、
二拍子が6回回る感じ。たぶんポリリズムです。たぶん。
なので、打ち込みのベードラは二拍子です。
和樹君の生ベードラは三拍子です。
その辺でなんとなく「波」感を表現したかったのです。
コーラスも、なるべく単純な和声だけにならないように気をつけました。
あっち行ったりこっち行ったり、上下が逆転したりすることで
波っぽさを出したかったんです。
もともとこの曲は私が22位の時に作られたものの、
ダラっとした曲ゆえ表舞台に出ませんでした。
(と言うか、モチーフ自体は18の時には出来ています)
普通なら消えてしまうのですが、妙に生き残りました。
ただ、よっぽどアレンジを考えないと成立しないと思っていましたので、
そういう意味では今回、なんとか形に出来てよかったです。
たぶん、今後もライブで積極的にやる曲ではないと思いますが、
きちんと形として残ったのは大きな意味があります。
最後、波の音が入っています。
夏の海をイメージした曲なのですが、
収録したのは極寒の大谷海岸です。
収録時、長いこと周辺に爆音バイクがいて
時間がかかりました。
さてさて。
今回は、ライナーノーツ恒例の機材紹介です。
と、言っても今回使用した機材は
前作「halfsinger」からあんまり変わっていません。
ちょっとマイクとかが増えた位でしょうか。
なので、基本的な音の方向性は前作と
そんなに違わないと思いますが、いかがでしょうか。
ただ、話が細かくなりすぎるので記しませんが、
プラグイン(ソフトウェア上のエフェクターだと
思っていただければ良いかと)はメッチャ増えました。
そして、それを駆使しています。
特に、もう廃版になっているPOWERCORE Compactを
中古で手に入れたので、その辺りのプラグインを結構使っています。
また、t-racks3も購入したので、ミキシングのコンプや
マスタリングに大活躍しています。
ジジイくさい感想で誠に恐縮ですが、ソフトシンセとかプラグインとか、
昔に比べてスゲー安くなりました。
良く、ハードウェアの話の中で
「アナログ機材がデジタル機材に変わって
録音機材全体が安価になった」とか言いますが、ソフトもそうです。
昔、それなりのお金出して買ったsampletank(ソフトサンプラー)とか、
阿呆みたいな値段で投げ売りしてたりするんでびっくりしますね。
OSのとか諸々の都合で、このシステム環境でミックスするのは、
もう今回のCDが最後だと思われます。WIndowsXPも、32bitも、
音楽機材の業界ではもう限界です。
次に新しくCD作るときには、DAWソフトも、インターフェイスも
パソコンも変わっていると思います。(どこか変えると全部変えなきゃいけないので)
なので、おそらく音の方向性がやや変わるでしょう。
覚えることも増えそうです。
今回ぜひやろうと思っていた、
マスタリング時のアナログ出し(パソコンから音を出して、
もう一度アナログ録音をし、デジタル臭さを取る方法)ですが、
マスタリングにものすごく時間がかかり、試みている暇がなく、
結局全て内部完結と相成りました。
なので、アナログコンプのRNC1773も、モニター時にコンプ感をテストするために
使用しただけです。
後は、今回はマスタリングまで自分でやったので、
さまざまな環境でさまざまな機材を使って
モニターしまくりました。
自分の車で、和樹君の車で、部屋のラジカセ(新調)で、
しょぼいパソコンスピーカーで、
携帯に取り込んでイヤホンで、和樹くんから借りた
ipodで、そしてもちろん、普通のステレオで。
パソコンで鳴らす時も、ソフトウェアをいろいろ変えて、
サウンドボードも変えて聞いてみました。
これには意外と時間と手間がかかりました。
<マイク>
Shure SM58
Shure SM57
audio-technica ATM-25
SONY C-38B
AKG C3000B
AKG C451B
AKG C414ULS
<ミキサー(マイクプリ)>
Soundcraft M12
YAMAHA MG10/2
<オーディオインターフェイス>
RME 96/8pst
RME Multiface
<シミュレーター>
TECH21 Sansamp classic
TECH21 Sansamp Bassdriver
<コンプレッサー>
FMR AUDIO RNC1773
<ソフトウェア>
Cubase SX ver.1,06
WaveLab Elements 7
<ハンディレコーダー>
TASCAM DR-05
<ヘッドフォン>
SONY MDR-CD900ST
<モニタースピーカー>
FOSTEX NF-01
SONY SRS-M50
次は、二人乗りの世界ですね。
この曲は印象にあまり無いかも知れませんが、Tao時代からある曲ではあるんです。
ライブでもたぶん一回くらいはやったことがあったかと。
でも、ソロ活動もやっていた時期に出来たものだと思います。
いずれにしても、かなり昔に作られて、だいぶ長いこと放置されていた曲でした。
理由は簡単。
アコギ一本でやると間を持たせるのが大変だから。
私、根が恥ずかしがり屋さんなので、間を埋めたくなっちゃうんですよ。
喋りも、歌も。
それなりにスカスカでも成立するじゃん、とか思えるようになったは割と最近です。
そんな曲なので、Tao時代にやろうとしていたアレンジとはだいぶ
方向性が変わってしまいました。
この曲のテーマは、ローファイです。
あえて、全てのマイクをダイナミックマイクで録音しました。
ってか、SM57と58しか使っていません。
録音して、ミックスしてから思ったのですが、
別にほかの曲と比べて、クオリティ上浮いている事もないですよね。
これがレコーディングの残酷なところです。
ググって貰えば解りますが、C-414ULSと言うマイクと
SM58と言うマイクは価格で言えば10倍位の開きがあります。
でも、どっちも別に悪くない。
結局のところ、どこを目指すかだけ、と言うことになります。
レコーディングなどの機材を揃え始めた10年前、web上の先達は
60〜80点の音を録るなら58で十分とさかんに書いていました。
当時、「そんな馬鹿な」と思っていましたが、今ならその意味もわかります。
と言うか、前回halfsingerを録ってわかっていました。
30’s Bluesのボーカルは58で録ったので。
私の声に58が合うのが解ってた上での、今回の試みだったです。
作業としては、まず打ち込みでテキトウなリズムトラックを作り、
そこに仮ギターと仮ボーカルをいれ、それを持ってスタジオでドラム録りをしました。
ドラムもローファイに録りたかったので、
敢えてマイクはベードラとスネアとトップの三本だけ立てました。
これだけでも良かったのですが、念のためハイハットにも立てたら
結果的にそちらの方がよかったので結局四本です。
前述のとおり、全部57か58。潔い音が録れました。
ここで何を血迷ったか仮ギターを差し替える前にボーカル録りをします。
ってか、実はスタジオに入って一日でドラムもボーカルも録っちゃったんですね。
鼻炎で鼻炎テープ張りつつのボーカル録音でした。
で、ギターを録って、ベースを録りました。
リードだけ別に録りました。
それだけです。ローファイでシンプル。
イメージとしてはスリーピースのバンドですね。
手数が少ない感じを敢えて出しています。
ちなみに、スリーピースを意識して、ベースの定位も
センターをわざとはずしています。
アコギが全く入っていない曲はたぶん竹田の曲の中で初めてです。
コーラスが入ってないのも、たぶんそう。
コーラスはなんか録ったような気もするのですが、
結局オッケイデータに全く残っていないので、
イケてなくて途中で消したんでしょうね。
いい加減ですみません(笑
次は、「君は僕に言う」ですね。
この曲は、まぁ何というか真っ先に入れようと思った曲です。
CDの中心的な位置づけになる曲だろうと思ってました。
なので、ノスタルジアの次くらいにレコーディングを始めました。
今、調べたら2011年の3月にはレコし始めてますね。
このCD、レコーディングに一年半くらいかかったとか言ってましたが
これ見ると、二年かかってるじゃないですか。ははは(笑
さて、元々ジャズっぽさがある曲ではありますが、
はたまたロックっぽい所もあり、方向性に迷いました。
が、ギターをikkiさんにお願いする事にし、
実際にさらりと弾いてもらったところ、一気に方向性が固まりました。
ジャズっぽい、ロックンロールっぽさも感じられる
そんなアレンジになったと思います。
最初、クリック入れてレコーディングしようとしたのですが、
間奏後にフリーテンポになる箇所があるので諦め、
今度はドラム・ギター・ボーカルでの一発録りを試みたのですが
あまりの難しさに諦めました。
はい、ワンテイクで諦めました。
で、結局ドラムとギターを「せーの」で一発録り。
そこにボーカルを入れたところでikkiさんにエレキを入れてもらいました。
(このドラムとギターを録りおえてから、ボーカルを入れるまで、
なぜか一年の間が開いています・・・。)
その後、ベースを録ったのですが
まぁ、ベースが難しくて難しくて。
自分でラインを作っておいてなんですが、
もともとベーシストじゃないのであんなもんでも難しかったです。
たぶん練習して録音し終わるまで、ひと月弱かかったと思います。
でも、弾けてくると楽しかった(笑
その他のものを録るのは早く、2012年の6月には録り終えていますが
そこから、他の曲の録音と平行して延々ミックス地獄にはまることになります。
使用マイクですが、ボーカルとアコギはC414、
ドラムのトップにC451、クラッシュ専用にSM58、
キックにATM25、フロアタムとスネアがSM57、ハイハットはSM58、
アンビエンスにC3000だったと思います。
コーラスもたしか414だったと思う。
ベースはサンズアンプ・ベースドライバーのみです。
エレキはサンズアンプの1Uラックバージョンをikkiさんが
なんかスタジオから借りてきてくれ、それを通しています。
エレキギターの種類もいくつか試したのですが、結局
私が持っているテレキャスで弾いてもらいました。
Amusement Tao時代の「君は僕に言う」から、コーラスも、
アレンジもだいぶ変わってしまいましたが、
よくよく考えたら10年前の曲。
・・・・当たり前とも言えますね。
ちなみに、CDの中で必ずどこかには三声コーラスを入れるのが
元、THE AMARIESだった私のポリシーなのですが、
今回はこの曲にワンフレーズだけ入っています。
また、一曲目に割と短めの曲を入れ、二曲目にカウント入りの曲から
入るのは、ATPからの伝統の流れです。わざとやってます。
良くも悪くも、ikkiさんのギターのインパクトが強いこともあり、
ミキシングもマスタリングもてこずりました。
結局、最後までマスタリングで粘ったのは、こいつです。
8ヶ月くらいずっと試行錯誤していました。
まず最初は「これからのことば」ですね。
前作「halfsinger」はほぼ全て宅録でした。
5年も前の話なのでぶっちゃけていいと思うのですが、
その「宅録だった」ことにより、心のどこかにリミッターがかかり
思い切り声が出せなかったという反省が残りました。
あの時はやりたいことがそれだったので、まぁ仕方ないものの
反省は、反省です。
その反省を活かし、今回はエレキやベースなどの
ライン録りモノを除き、ほとんどスタジオで録音しています。
大体の流れとしては
ベーストラックが必要なものは家で作っておき、
それを持ってスタジオに入り、生音を収録して
家で処理して、そこにライン録りモノを重ねて
ミックスするという感じです。
話が大回りしました。
そんな訳でほとんどがスタジオ産なのですが
この「これからのことば」だけ、完全宅録です。
大した理由はないのですが、この位のうるささの曲ならば
自宅でも録れるだろうと思ったんです。
後は、この曲は一番最後に録ったので、
いまさらこの曲だけのためにスタジオに入るのが
面倒だった、と言うのもあります。
ドラムパートももうなかったので、一人でスタジオ入りする訳で
それはそれで、なんかつまんないしね。
まず、リズムトラックを作りました。
ループっぽい曲なので、シンプルにリズムトラックを
作ってみました。この段階では仮のつもりだったのですが
ギターをのせたら、なんか成立したのでそのまま仮トラックがOKになりました。
ただリズムがかっちりし過ぎたので、単音のシンセを敢えて手で弾いて
録音しました。リズムよれまくりですが、なんとなくよさが出たかなと
思っています。
ギターはSONYのC38で録っています。新兵器。
かなりローががっつり録れてしまい、
イコライジングに苦労しました。
ボーカルはAKGのC414、コーラスはAKGのC3000と言う
いつものマイクで録ったので、こっちは楽でした。
ギターは「電気消して」のときと同じ、
貰った安クラシックギターです。たぶん
ハードオフで買っても5000円しないと思います。
レコーディングの時だけ引っ張り出されてますね。
そういえば弦も5年前から変えてないかも。
コーラスのメロディはかなり追い込まれて録りました。
譜面とかは書かず、何パターンもアドリブで録って、
良いメロを採用しました。意外と寂しかったので、
ダブにしました。
すごくシンプルな曲ですし、まだ新しい曲なので
アレンジは行き過ぎないように注意しました。
自分的には大変気に入っています。
今回、基本的に44.1kHzの24bitで録音・編集していますが、
この曲とYOUのみ、96kHzで編集しています。
なんとなく、きめ細やかにしたかったのと、単にトラック数が少なくて
PCのパワーに余裕があったからです(笑
なんとなく違いがわかるかな?どうかな?と言ったところでしょうか。
さてさて、無事発売しました新CD「930」ですが、
例によって、一曲一曲の曲解説をしたいと思います。
ただ、その前になんで「930」なのか。
聞かれてその都度答えるのがめんどいので、
前もってここに書いておきます(笑
これはですね、和樹くんにメールで練習時間を知らせるとき
「夜9時半から練習でお願いします!」
という内容を極限まで縮めた形です。
実際「930」とか「1000」とか、そんな風にメールしています。
(ちなみに和樹くんから返ってくる返事は、どんな内容でも「はい。了解」です。)
練習のたびにこのようなメールをしていて気づいたのですが、
これはもはや記号に近い。
でも記号は、その意味を理解する人にとっては、
極限まで無駄を削いだ、雄大な表現方法です。
つまり、共有理解が出来る人にとっての
ミニマルな表現という事をネーミングした訳です。
「共有理解が出来る人にとっての」というのは
ある意味「わかる人にわかる」というマイナスなイメージもありますが
これはまぁ、音楽全体がむしろそういう側面を前提として持っている
という意味に過ぎません。
なので、結論としてはシンプルな音楽という意味だと
思っていただければよいかと思います。
後は、今回はガッツリと和樹君と一緒に作ったという意味も
含まれています。今回のクレジットはサポートではありません。
わかる人は一瞬でわかったと思いますが、
ジャケットとCDのデザインも「9時30分」を意味しています。
バレリーナは大した意味はありません。この9時30分をデザイン上に
明示しようとした時、これ以外にないモチーフだったというだけです。
バレリーナ(谷里奈さん)は珍しく時間かけて書き込んだのですが、
あんまり印刷に出ませんでした(笑
(余談ですが、今回ほとんど満足いく出来だったのですが、
唯一、印刷の出来だけには満足していません。)
「ATP」の時も「halfsinger」の時もそうですが
CDのタイトルを決める作業は楽しいです。
結果、いろんな意味を込めたものになります。
それぞれにタイトルを持つ複数の曲があり、それらをまとめた時に
ひとつの意味を持つ新たな記号を付加する、そういう作業は
グループ名や本の題を決めるような作業とも言えるかもしれません。
今の傾向として、配信などで曲一つ一つがバラ売りに
なっていくと思いますし、それはそれで別に良いのですが
複数の曲をまとめて、順番どおりに聞いた時に新たに感じられる
ストーリー性と言うのは、確かに存在し、かつこれまで長く親しまれた
音楽の楽しみ方のひとつだと思います。
作り手としては、曲順はもちろん曲間の秒数にもこだわって
CDをマスタリングしていますので、たまにで良いのでそういう楽しみ方を
してみて欲しいという思いはあります。